2016/08/03
地震などの自然災害で被害にあったことを証明する書類には、「り災証明」というものと「被災証明」というものがあります。
似たような発音でまぎらわしいので、どちらも同じものだと勘違いしてしまいやすいですよね。
また、この両者の違いは何なのか?が気になる人も多いことでしょう。
おおまかに言うと、り災証明は建物自体(不動産)などの被害を証明するもので、被災証明は家財道具、車(動産)などの被害を証明するものです。
そしてそれぞれの証明書によって受けられる支援制度や税金の減免などの及ぶ範囲が変わってきます。
今回はその内容についてサクッと見ていくことにします。
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申請から発行までの流れ
まず各証明手続きのおおまかな流れと補足情報を。
罹災(り災)証明
申請(写真など被害の様子がわかるものが必要な場合が多い)
↓
調査員による現地調査で損害規模を判定する。
- 全壊
- 大規模半壊
- 半壊
- 一部損壊
とそれぞれ段階があり、被害が大きいほど補償の内容も手厚いものになっていく。
2次判定まである場合があり、一度目の判定で不満があれば(自分では半壊のつもりだけど、一部損壊扱いになっているなど)再度調査を依頼することができる。
申請から発行まで時間がかかることが多く、2〜3ヶ月待つという人も多数いるようです。
被災証明
申請(写真などで被災した状況を確認)
↓
調査等はなく、その場で即日発行。
発行基準が自治体によってまちまち。
- 写真だけでOK
- 断水、停電していればOK
- 災害のあった日に住んでいればOK
など、発行の明確な基準は決まっていない。
補償の違いについて
罹災証明や被災証明を発行することによってさまざまな支援制度を受けることができます。
代表的なもので言えば、税金の減免や義援金の給付、生活再建にあたっての支援金などが挙げられます。
が、これらは罹災証明を発行することによるものがほとんどだと思われます。
間違った解釈をしてしまいやすいですが、もう一方の
被災証明(対象は家財など)を発行したからといって、家財や車が補償されるわけではありません。
参考までに、被災証明が必要な場面としては…
- 勤務先から見舞金が出るので、受給するのに被災した証明が必要
- 会社を長期休養するために被災した証明が必要
- 金融機関で融資を受ける際に低利率で借りられる
といったものがあるようです。
まとめ
申請から発行にかかる期間、受けられる補償の内容を考えると、重要度のイメージとしては、
【罹災証明>>>>被災証明】といった感じでしょうか。
とは言ったものの、各自治体によって扱いが微妙に変わってきます。
ここでの情報は参考までに、詳しいことはホームページなどで確認するようにしてください。
いずれの証明にせよ写真が必要であることも多いので、被災直後の写真を残すことを忘れないようにしたいですね。
というわけで、罹災証明と被災証明の違いについては以上です。
地震に備えて最低限やっておくべきこと
これまでの東日本大震災、熊本地震から多くの教訓を得られたはずです。
日本はとても地震の多い国で、今後また大きな地震(南海トラフ)がかなり高い確率で起きることもわかっています。
地震に備えて、耐震化を図る、地震保険に加入するなど今からできることはたくさんあります。
…たくさんあるのですが、それらを実際に行動に移す人は決して多くないと思います。
具体的にいつ起きるかわからないものに対して、何か備えておこうと思ってもついつい後回しにしてしまうのが人間の性でもあるので。
耐震化を図る、保険に加入するにしてもある程度のお金が必要なことですし、なおのことでしょう。
でも、最低限、本当に最低限やっておくべきじゃないかなぁと思うことがあります。
それは…
「固定金具の装着」です。
大きな家具や家電を固定するくらいのことはしておくべきだと感じます。
というのも、地震保険と言っても、家屋の補償は受けられても、家財など家の中の物まで補償を受けられるケースはあまりないようです。(加入する保険の内容によっても変わると思いますが、詳細についてはここでは触れません)
壊れてしまった家財に関しては泣き寝入りというか、諦めるしかなくなるという事例がほとんどのようです。
なので、被害を最小限に抑えるためにも、固定するくらいのことはしておきたい対策です。
コストもそれほどかかるものではないし、少しの手間で出来ることなので、これまでの教訓を活かすという意味でも最低限やっておきたい対策ですね。